どちらもお金に関する資格だが、勉強前には違いが分かりづらいFP試験と簿記試験。
かくいう私も勉強前は、FP(ファイナンシャルプランナー)は個人のお金、簿記は会社のお金と言われてもピンとこなかった。
そこで、日商簿記三級、FP試験三級を受験して分かったことを交えながら両資格を紹介していく。
両資格の概要
日商簿記三級試験 | FP三級試験試験 | |
資格種類 | 公的資格 | 国家資格 |
試験日程 | 2月、6月、11月 | 1月、5月、9月 |
受験料 | 2,850円 | 6,000円 |
試験内容 | 商業簿記 | 学科試験(マークシート式) |
実技試験(記述式) | ||
試験時間 | 120分 | 120分+60分 |
合格基準 | 70%以上 | 60%以上 |
受験資格 | 学歴・年齢・性別・国籍による 制限なし。 | FP業務に従事している者または 従事しようとしている者 |
両資格とも受験に必要な能力や資格はなく、やる気があれば誰でも受験可能だ。
FP試験は三級→二級→一級と順に取得する必要があるが、日商簿記はいきなり一級から受験可能な点が異なっている。
また、FP試験は国家資格、日商簿記は公的資格という違いもある。公的資格は省庁などのお墨付きの民間資格のことで、公共性が高い民間資格らしい。
勉強内容の違い
2つの資格の違いとしてよく紹介される、簿記は「企業」、FPは「個人」のお金を扱うという説明。間違いは無いのだが、これから勉強しようという人には分かりづらい説明だと思う。
以下で両資格で勉強する詳細を紹介する。
簿記で学ぶこと
日商簿記検定の紹介欄には以下の様に説明されている。
簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。
簿記を理解することによって、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。
小難しく書いてあるが、企業における「物を買う」「物を売る」「お金を借りる」「お金を稼ぐ」という出来事を「お金の流れとして記録する」方法が簿記であり、個人レベルに落とし込むなら、家計簿をつけられる技能だ。
ビジネスの基本と謳っている通り、企業のお金の流れを知るには簿記の知識があると理解しやすい事が多い。
そのため、簿記検定では早く正確に物やお金の種類を見極めて整理し記帳する能力(『仕訳(しわけ)』)が問われる。
お金やモノがどんな分類なのか?という知識が前提にあり、正確な記述(記録)ができることが重要なのだ。
試験内容も、知識ではなく記載が正確か?が主眼にあり、暗記勝負で望むのは無謀だ。
FPで学ぶこと
こちらも公式HPの紹介欄から引用する。
FPとは、一人ひとりの将来の夢や目標に対して、お金の面で様々な悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家です。個々人や家族のライフプラン(人生設計)に基づく将来の収支の見通しを立て、最適な資産設計・資金計画を提案、アドバイスを行い、その実行をサポートします。
FPの主たる業務は、依頼主の「現状把握」→「将来設計」です。これを企業相手にするとコンサルタントでしょうか。
顧客によりベターな提案を行う技能が問われます。人に教えるには3倍の知識が必要と言われるように、試験内容は暗記中心。
受験勉強のようなテストで、基本的には一問一答ができれば合格できる。
難易度の違い
個人的に難易度は「簿記>FP」だった。1日の勉強時間が同じという条件ならFP三級は1ヶ月、簿記三級は少なくとも3ヶ月は欲しい。
簿記三級はしっかり対策
企業の会計に慣れていない人は、簿記の仕訳がかなり難しく感じるはずだ。というか、難しかった。
貸方、借方という言葉がまず聞き慣れないし、仕訳の項目がわからずよく間違えた。
なので、3ヶ月は欲しい。私の場合は1日1時間勉強して4ヶ月くらい必要だった。
FP三級はとても簡単
参考書を読んで、アプリで過去問を解いてを繰り返して1ヶ月あれば大丈夫だ。
簿記検定の後にFP取得をしたので、かなり難易度が下がったように感じた。
最近はマネーリテラシーを高める本も多く出版されており、目にしたことのある単語が出てくることが多く覚えやすかった。
就職に有利なのは簿記
就職や転職活動に有利なのは、簿記に間違いない。
企業の大小に関わらず、会計や簿記の知識は求められる知識、技能だからだ。
FP三級は新卒採用の時に少し役立つかも…程度だ。取得が簡単すぎて「誰でも取得できる資格」というイメージがある。
しかし、日本で暮らすためのお金のルール(税金や保険など)が覚えられるので無駄ではなかったと思う。
どちらの資格も三級程度では評価に繋がりにくく、二級以上を目指した方が良い。
同時期に取得するのは難しい
試験日程が近い
簿記検定(日商簿記)とFP検定試験の日程は異なっているが、隙間の期間に勉強するには時間が足りない。
それでも受験するなら、おすすめは簿記が先。
私は6月に簿記検定三級を受験し、9月にFP試験三級を受けた。
もしも、6月の試験に落ちても次の試験は11月なで、2ヶ月の勉強時間を作れるからだ。
FP三級試験の難易度が低く、頑張れば合格できる気もするが、おすすめはしない。
なぜなら、次のステップ(二級、一級)を目指すなら連続して勉強したほうが効率的だからだ。
どちらの試験も三級の内容を忘れないうちに2級に挑んだほうが合格しやすい。
共通項目が少ない
お金の知識という大枠は似ているが、性質が異なる資格で、バランスシートなど共通する内容もあるが、全体の1割に満たない。
そもそも、勉強の方法が違う。簿記は正確に記述する技能試験、FP試験は正確に暗記する試験だからだ。
上述したように、上位の級に連続して挑んだほうが良いと感じたのもこれが理由。
求めている資格を取りにこう
私は会社で技術職のため、簿記もFPも直接的には関係がない資格だ。
それでも、FPと簿記の知識は普段の生活の中で役立つと実感でき、取得して良かった資格の一つ。
お金のルールは知っている人にしか適用されないことが多く、勉強の価値はある。
個人的には仕事に直接関係ないのであれば、FP試験から取得するのが良いと思う。
簿記検定はキャリアアップなどを考えた時に必要になるが、FPの知識の方が長く人生に役立つ可能性が高い。
資格勉強・試験の様子を紹介
・ファイナンシャルプランナー(公式HP)
三級FP技能試験の勉強方法
三級FP技能試験の持ち物と試験会場の雰囲気
日商簿記検定(公式HP)
日商簿記検定三級の勉強方法
日商簿記検定試験当日の持ち物と試験会場の雰囲気
・知的財産管理技能検定(公式HP)
三級知的財産管理技能士(管理業務)
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