映画「永い言い訳」を見た感想・人間の人間らしい部分を存分に見せてくれるクソ野郎

映画の感想

俺は妻が死んだ時に他の女と寝てたんだよ!

この映画のキャッチコピーである

妻が死んだ。
これっぽっちも泣けなかった。
そこから愛し始めた。

よりもはるかに心惹かれるセリフに私は心をグッとつかまれました。

永い言い訳のあらすじ

三行でまとめるなら

不幸な事故で妻を無くしたクソ野郎(主人公)が
同じ事故で母親を無くした家族との関係を通して
真人間になるようでならない話

冒頭の夫婦喧嘩ギリギリの会話が怖い

冒頭から怖いよ。

夫婦喧嘩すれすれの会話から始まります。

いやーやめて、この場に居たくない。

この会話が怖すぎる。

ていうか、この旦那クソ野郎だな。

男視点でもムカつくくらいに拗らせてる。

多分、女性が観たらもっと、嫌悪感が出るんでしょうね。

細かいことをネチネチと嫌味ったらしい。

でも、この時点で私は主人公に強く感情移入しました。

というより、自分を主人公に投影できてしまったのです。

子育てパートは観ていて、とても楽しい

同じ交通事故で母親を亡くした家族のベビーシッターを買ってでる主人公。

正直、こいつ(=主人公)が子育てとか舐めてるだろ!とか思っていましたが、子育てのパートは観ていてとても楽しいです。

なんというか、子供の気持ちも良くわかるし、主人公の子育てに慣れていない男という感じがすごいリアル。

不自然さがないんですよね。

子育て未経験の人間が言うんだから間違いない。

初対面の子供との距離感とか、逆に子供から見えば知らないおじさんが急に来たわけですからね。

そりゃ、微妙な雰囲気にもなるわけですよ。

映画の中の雰囲気がとてもリアル

この映画の空気感がとてもリアルです。

見知らぬ家庭に勝手入り込んでいる男、その空気感がリアルなんです。

バスを乗り過ごした少年と会話だったり、下の子とテレビを一緒に見たり、洗濯物をしたりとか。

普段の日常をそのまま切り取ったような映像でした。

自分もその場にいて一緒に暮らしているような気分になりました。

その分、冒頭の夫婦喧嘩だったり、幸雄くんが暴走し出すシーンとかは「観たくないな」というより、「居たくない」と感じるものでした。

ラブストーリーか?と聞かれれば、違うと思う

突然、妻が死んでダメだった男が立ち直る!という話ではないです。

もちろん、奥さんの愛の深さに気づくとか、そんな話でもないです。

むしろ、主人公が妻のいた生活を認識しようとしている時に、あのメールの内容はヤバイって。

下手なホラー映画よりも背筋が凍りました。

対比として出てくる竹原ピストルは、感情をストレートに表す男で暑苦しいですが、主人公との対比として抜群でした。

感情表現が苦手な主人公と、ストレートに表す竹原ピストルと言う構図はかなり分かりやすいコントラストです。

結局最後まで主人公は妻の氏に関して涙を見せることはありませんでした。

奥さんがいたであろう景色を思い浮かべていますが、それはまぁ昔、味わえたはずの幸せの景色。

実際に主人公はその場にいませんでしたし、今後もその幸せを味わうことはできません。

だから、ラブストーリーというよりは、あったはずの幸せを享受しなかった男の物語という感想が一番近いです。

奥さんを愛していた!というより、あったはずの幸せを認識できなかったという感じでしょうか。

まとめ:そこにある幸せを受け取ることの難しさと大切さ

無くして気づく幸せとか、本当の幸せは身近に…という話ですが、無理にそう押し付けられるわけではありませんでした。

自然と、スッと心に落ちてくる感じです。

幸せだった日々が急になくなって、悲しいね。幸せは近くにあるんだよ!と押し付けられません。

ただ、妻を亡くした男がこういう道もあったんだと認識できるようになっただけです。

幸せかどうかは、受け取り方次第ですからね。

主人公と一緒に心境の変化を味わえた映画でした。

また観たいです。

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